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ニーノ・グヴェタッゼ「日本デビュー・リサイタル」 オフィシャル・サイト
聞き手の心に語りかける力を授かった、生まれながらのピアニスト 日本デビュー!
2012年10月9日(火)19時開演 東京文化会館小ホール
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- ニーノ・グヴェタッゼのインタビュー(連載形式)がアップされました。
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- 2012.07.05
- ニーノ・グヴェタッゼ 「日本デビュー・リサイタル」のオフィシャル・サイトがオープンしました。
ニーノ・グヴェタッゼ ピアノ・リサイタル
プログラム
ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第16番 ト長調 作品31-1
Beethoven - Sonata no 16 in G major op.31-1
シューマン:アラベスク ハ長調 作品18
Schumann:Arabesque in C major op. 18
シューベルト-リスト:糸を紡ぐグレートヘェン
Schubert - Liszt:Gretchen am Spinnrade
シューマン-リスト:献呈
Schumann- Liszt:Widmung
ムソルグスキー:展覧会の絵
Mussorgsky:Tableaux d'une exposition
日時:2013年10月9日(火)19時開演
会場:東京文化会館小ホール
全席指定
S席4,000円 A席3,000円 B席2,000円
チケットのご予約・お問合せ
ユーラシック:03-3481-8788
チケットぴあ:0570-02-9999 http://t.pia.jp/(P-コード:168-600)
e+(イープラス):http:/eplus.jp
東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
主催:ユーラシック
後援:グルジア大使館、オランダ王国大使館
** 都合により公演内容の一部が変更になる場合がございます。また、未就学児の入場はご遠慮下さい。
あらかじめご了承ください。
グルジア共和国トビリシ生まれ。ヴェロニカ・トゥマニシュヴィリ、ノダール・ガブニア、ナナ・クブティアの各氏に師事。その後オランダに渡り、パウル・コーメン、ヤン・ヴィンに学ぶ。ハーグ王立音楽院に在学中より数々の賞を受賞。中でも2008年にはフランツ・リスト国際ピアノコンクール第2位、あわせて批評家賞と聴衆賞も授与されている。また2010年、才能が際立っている若い音楽家に与えられているボルレッティ=ブイトーニ・トラスト賞受賞。
これまでにミシェル・プラッソン、ヤニク・ネゼ=セガン、マルティン・ジークハルト、ジョン・アクセルロッド、ミシェル・タバシュニクといった指揮者たち、そしてロッテルダム・フィル、オランダ放送響、オランダ・フイルハーモニー管、ハーグ・フィル、ブリュッセル・フィル、ソウル・フィル、ライン・フィルほかと共演。ハノーファー、バイロイト、コンセルトヘボウ、さらに韓国と中国でリサイタル、またスポレート音楽祭ではジャン=イヴ・ティボーデと共演している。また、著名なアムステルダムの「運河フェスティヴァル」でもリサイタルと室内楽で出演。
2009年ハーグ(オランダ)のアントン・フィリップ・ホールのレジデント・アーティストに任命され、ソロ・リサイタル、室内楽、オーケストラとの共演を含む様々な演奏会を数多く行う。2010年3月、オランダのテレビ放送で著名なウラディーミル・ホロヴィッツが使用していたグランド・ピアノで演奏を行う。
2011/12年のシーズンのハイライトは、協奏曲ではブラームスの第2番(デイヴィッド・アフカム指揮マーラー・チェンバー・オーケストラ、イタリア)、リスト(ヤクブ・フルシャ指揮オランダ・フィル、コンセルトヘボウ)、ラフマニノフ(ジュリアン・ヘンペル指揮オランダ・ユース・オーケストラ、コンセルトヘボウ)そしてショパンの第1番(ポール・ホスキンス指揮コリンシアン・チェンバー・オーケストラ、ロンドン)、またリサイタルはジャコバン・ピアノ・フェスティヴァル(トゥールーズ)やドイツのプラッハなどで予定されている。
2011年7月、オーキド・クラシックスからフランツ・リストの作品集のCD「献呈」をリリースする。このCDは、偉大な作曲家リストの生誕200周年に捧げられている。また、グヴェタゼがシューベルト=リストの「糸を紡ぐグレートヒェン」を演奏しているアニメーション・フィルムも作成されており、
www.gretchenamspinnrade.com で見ることができる。さらにブリリアント・クラシックスからムソルグスキーの「展覧会の絵」を含むソロ・ピアノ全作品集をリリースしている。
ニーノ・グヴェタッゼ
photo: © Sussie Ahlbug
絶賛発売中
全席指定
S席4,000円 A席3,000円 B席2,000円
チケットのご予約・お問合せ
ユーラシック:03-3481-8788
チケットぴあ:0570-02-9999 http://t.pia.jp/(P-コード:168-600)
e+(イープラス):http:/eplus.jp
東京文化会館チケットサービス:03-5685-0650
「展覧会の絵」について
ニーノ・グヴェタッゼ
私にとって「展覧会の絵」は何年も演奏し続けている作品です。私自身の最初の大きなプロジェクトでこの曲を弾いたのはアムステルダムの「運河フェスティヴァル」でしたが、これまでこのフェスティヴァルに10回招待され、そのたびにこの作品を演奏し大成功を収めてきました。「運河フェスティヴァル」以外でもいろんな場所で数多く演奏しています。あるとき、ジャン=イヴ・ティボーデの面前で演奏をしたことがありますが、彼は直ぐ様私をスポレート音楽祭に招待してくれました。
「展覧会の絵」はとても色彩豊かで興味に満ち溢れ、まるでイメージの妖精のようでもあります。この曲を弾くときは、さまざまな能力を表現するための素晴らしい機会です。限りない想像力が求められますが、いつも演奏を楽しんでいます。
■インタビュー
インタビュアー:トビアス・フィッシャー
(2011年7月27日)
ニーノ・グヴェタッゼのキャリアにはあるキーワードが何度も現れる。彼女はユトレヒトで行われたフランツ・リスト国際ピアノ・コンクール第2位を契機に大きく飛躍した。またワーグナーの故郷バイロイトで演奏したリストのロ短調ソナタは、ある新聞に「他のすべてのピアニストをしのぐ」と絶賛された。彼女の最新CD「献呈」も、もちろんリストのピアノ作品集だ。このように彼女のすべての演奏活動においてこれほど重要な位置を占めているように見える作曲家なのに、オランダの専門誌「ピアノ・ビュレッティン」のインタビューでリストについてきかれたとき、彼女の答えはなんと、リストは最初かから好きだったわけではなく、本当に好きなのはショパン、シューベルト、シューマン、ベートーヴェンだというものだった。
「私が、過去のリスト・コンクールを占めてきたような典型的なヴィルトゥオーゾのリスト弾きではないことはたしかです」と、彼女は本誌に語った。「私がリスト・コンクールに参加することを決めたとき、友人たちはみんな驚いていました」。しかしながら、彼女の優雅かつ自在なリストの演奏が、結果的に、聴衆と審査員両方から高く評価されたのだった。ほかの参加者たちにとっては、リストは神のような存在であり、彼女のようにリストを弾くことなど考えもしなかったに違いない。しかもこの演奏によって彼女は、けっしてジャーナリストやレコード会社の上役たちの望むような、容易に分類できるアーティストではないということを世に知らしめた。実際、グヴェタッゼは10年以上、こういった柔軟さかつ深い創造性をずっと求めてきた。彼女はグルジアにとどまって、それまでの順調な進歩を基盤に名声を築くこともできただろう。しかしグヴェタッゼはより視野を広げ、自分にとってもっとも重要なレパートリーを本場で学びたかったのである。すなわち、作品に対する敬意と自由さを合わせ持つ教師につき、しかもバッハのような作曲家たちの故郷により近い場所で学びたいと思い、荷物をまとめて2003年にオランダに移った。ここで彼女は瞬く間に広い人脈を築き上げ、根を下ろした。現在は、ソリストとして、またよき音楽のパートナーであるヴァイオリンのフレデリーケ・サイスとのデュオ奏者として、彼女はかなりの時間を忙しいコンサート・ツアーの移動に費やしており、さらに、ブリリアント・クラシックス、ナクソス、新進のオーキッド・クラシックス(前述のリストのディスクはここからリリースされた)などとレコーディングを行っている。リストのディスクに収められている「糸を紡ぐグレートヒェン」の演奏に合わせて、ディレクターのグレアム・ジョンストンは夢見るような魅力的なプロモーション・ヴィデオを制作し、クラシック音楽と現代メディアのコラボレーションの可能性も示した。それはマルチメディア界への進出ともいえ、グヴェタッゼの驚くべき音楽的進歩を象徴しているかのようだ。彼女にだって時にはスランプの時期も避けがたくあったろうけれど、それでもグヴェタッゼの人生は、まるでおとぎ話のように思えてくるのだ。
(2012年7月5日アップ)
(以下、電話インタビュー)
- こんにちは。今どこにいらっしゃいますか?
- アムステルダムです。明日の朝、短い休暇でグルジアに帰るところです。
- 現在のコンサート・スケジュールは、どんな具合ですか?
- これからのシーズンはとてもエキサイティングです。まずリストのCDリリース記念の演奏会がオランダとベルギーであります。それからフランスでリサイタル、ロンドンでコンサート、そしてイタリアでマーラー・チェンバー・オーケストラとのデビューがあり、ここではブラームスの2番のコンチェルトを弾きます。すごく楽しみで、シーズンが始まるのが待ちきれません。
- 今住んでいるところの音楽事情はいかがですか?
- ご存知のように、アムステルダムは大都市ではありませんが、文化的には大変に豊かなところです。かの有名なコンセルトヘボウのホールと、素晴らしいコンセルトヘボウ管弦楽団を挙げるだけでも充分でしょう。でもそれ以外にも、よいコンサート会場や美術館がたくさんあります。音楽的には、アムステルダムは大変活気があり、オーケストラをはじめソロ、室内楽とありとあらゆる演奏会があって、ここに住むのはとても刺激的です。
- グヴェタッゼさんはいつピアノを始めたのですか? 子供の頃に夢中になったこと、あるいは影響を受けた人は?
- 4歳でピアノを始めましたが、いつの間にか自然に弾いていたという感じでした。家族に音楽家はいません。私の祖母だけが少しピアノを弾けたぐらいです。でも、グルジア人はみんな歌えるんです。多分、遺伝子にインプットされているのでしょう。だから、家にはアップライトのピアノがあって、私は小品を作曲するようになりました。今でも覚えていますけど、私の最初の曲は黒鍵だけで演奏する嬰ヘ長調のワルツだったんですよ。
小さいころから、オペラに行って舞台を観ながら音楽を聴くのが大好きでした。最初にヴェルディの「椿姫」を観たときは本当に感動して、そのとき、音楽を通じていかに感情を表現できるのかに気が付いたんです。影響を受けた人については、習った先生たちすべてからとても大きな影響を受けましたし、彼らがみんな偉大な音楽家だったことはとても幸運でした。彼らの助けと導きがなかったら現在の私はありえない、とつねに言っています。
- あなたと楽器とはどのような関係ですか?
- それはとてもプライヴェートな関係です。たとえば友達とおしゃべりをしていて一番の秘密を明かせるような。でも、家で弾くのとコンサート・ホールで弾くのはまったく違う体験です。家では自分の楽器があって、弾き馴れていて、いわば自分の一部になっていて、自分の内なる声のような感じです。でも演奏会の時には毎回短時間で新しい楽器と知り合わなければなりません。これはとてもエキサイティングで新鮮な体験です。嬉しい出会いもあれば、どうにかしてその楽器に近づき、仲良くなり、信頼してもらうように努力しなければならない時もあります。たしかに大変ですが、わくわくします。
(2012年7月20日アップ)
- 技術面もふくめて、音楽家としていま挑戦していることは?
- そうですね、チャレンジする内容は取り組む作品ごとに違ってきます。でもつねに最大のチャレンジは、作曲家の意図になるべく沿いつつも、音楽の中に自分自身を見出すことだと思います。そして自分のアイデンティティを失わず、しかもいくつかの作品では自分をいわば変身させることも必要となります。
- 新しい作品に取り組む時、まず何から始めますか?
- まずスケッチをすることから始めます。最初から作品の構造を理解することはとても重要です。多くの事が、構造を理解していないとわかりませんから。そして次にその作品をより深く理解していきます。細かい部分を掘り下げ、ニュアンス、響き、声部のバランスといったことを学んでいきます。曲が完成した、という気持ちには決してならないし、つねに何かしら変えるべきところはある。でもとりあえずここまでにしよう、と手放さなければならない時期はあります。
- 楽譜にできるかぎり忠実に演奏するのと、グレン・グールドのように好き勝手に自由に演奏するのを両極とした場合、その間にあらゆる色合いの演奏がありますよね。あなたの場合、自分の感情や考えと作曲家の意図とのバランスをどのようにとっていますか?
- 楽譜どおりに、そして作曲家の指示に忠実に演奏することはとても重要ですが、自分自身の考えと感情を育むことも大切です。このふたつをうまくバランスさせるということは、次のようなことではないしょうか。作曲家はある限られた範囲内においていつも弾き手にいくらかのスペースを提供してくれています。その範囲が広い作曲家もいるし、狭い作曲家もいるけれど、この与えられた範囲内だったら、弾き手は自分のイマジネーションのままに、心のままに弾いていいと私は考えます。
- 良い生演奏を構成する要素は、何だと思いますか? ステージで演奏するにあたっての、あなたの心構えは?
- コンサートで可能な限り最高の結果を得るためには、たくさんの要素が関係してきます。その中でも特に大切な要素のひとつはもちろん聴き手の方々です。私は一度ステージに上がったら、自分自身音楽の中に飛び込み、お客さんたちも私と一緒に連れて行くことを目指します。そして作曲家が残してくれたストーリーを話して聞かせ、日常を忘れさせ、色とりどりで様々な感情が交錯する旅に連れ出します。ときどき、聴衆も私と一緒に呼吸している、とさえ感じるんです。そしてこれこそが私にとっての良い演奏です。
(2012年8月21日アップ)
- チャールズ・ローゼンは「クラシック音楽にとっての死とはおそらくその絶えることのない古い伝統だ」といっています。よく言われる「クラシック音楽の危機」の根本的な原因は何だと思いますか? クラシック音楽を生き返らせるための良い知恵はあるのでしょうか?
- いつの時代にも言われますよね、今は危機的状況だって。もちろん今は困難な時期だと思います。でも、まわりを見回してみれば素晴らしい音楽家がたくさんいるし、彼らを聴きに来る聴衆もいる。いちばんの問題は、クラシック音楽は一部の人たちのためのものだ、と思われがちなことです。これは全く正しくないと思う。音楽は世界共通語で、誰の心にだって届くことができる。必要なのは、音楽のために少しだけ時間を割いて聴いてみることです。
- CDとコンサートの洪水の中にあって、聴衆も音楽家も難しい問題を突きつけられています。目の回るほどたくさんのチョイスがある中で、今日における音楽の価値は何だと思いますか?
- レコーディングをすることはちっとも悪いことじゃないと思います。私たち音楽家にとっては大変なことですが。何か表現したいことがあって、それが充分に意味のあることならば、誰でもこのクラシック音楽界に自分の場所を見つけることができるはずです。
- 多くの音楽家が、音楽だけで食べて行くのは難しい状況にあります。あなたの経済的現実はどうですか?そしてこの状況をどのように向上させていけばよいのでしょうか?
- たしかに厳しい状況です。我々演奏家は皆ホールやオーケストラに依存していますし、それらは今ひじょうに厳しい状況にありますから。それでも演奏を続けていくことが大切なのです。
- 本誌の読者に、注目すべきアーティストを2人紹介していただけますか?
- 2人だけというのは難しすぎます。素晴らしい音楽家はたくさんいますし、それぞれが自分の楽器に対して独自のアプローチをもっていますから。他の音楽家の解釈からはつねに学ぶことがあります。こうしたことが音楽をより面白く、より色彩豊かにしてくれるのです。
- ほかの楽器を演奏してみたことはありますか? もしあるとしたら、その腕前は?
- ピアノ以外の楽器を演奏してみたことはありませんが、チェロの音色には昔からずっと惹かれています。いつか始めてみるかも知れませんね・・・。
(2012年9月6日アップ)
完