©Warner Classics - Erato-Ph. Marco Borggreve
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福山雅治&石田ゆり子ダブル主演映画
「マチネの終わりに」に登場した
天才ギタリスト、ティボー・ガルシア
待望の再来日!
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当日券の販売はございません。
2023年日本ツアー公演プログラム
プログラム
PROFILE
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ティボー・ガルシア:ギター
Thibaut Garcia: Guitar
最も権威あるGFA国際コンクールを始め
21歳まで各地の国際ギター・コンクールを6度受け、すべて優勝!
■GFA国際コンクール:2015年アメリカ・オクラホマシティ
■ホセ・トーマス国際コンクール:2014年スペイン
■セビリア国際コンクール:2013年スペイン
■テラ・シクロラム国際コンクール:2013年ルーマニア
■アナ・アマリア国際コンクール:2011年ドイツ・ワイマール
■ヴァンジャ・デ・エゲス国際コンクール:2008年スペイン
スペイン系フランスのギタリスト、ティボー・ガルシアは1994年トゥールーズ生まれ、7歳でギターを学び始める。若干16歳でパリ国立高等音楽院に入学を許可される。世界的に著名なギターフェスティヴァルに数多く招待され、またウィーンのコンツェルトハウス、アムステルダムのコンセルトヘボウ、モスクワのチャイコフスキー・ホール、オルセー美術館のオーディトリアム等で演奏。2016年トゥールーズ・キャピトル国立管との協演でコンチェルト・デビュー、この後BBC響等と協演。2017年、イギリスのBBCニュージェネレーション・アーティストに指名され、2018年10月にロンドンのウィグモアホールにデビュー。室内楽では、エドガー・モロー、ジャン・フレデリック・ヌーブルジェ等と共演、またカウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーとも共演&録音を行う。ワーナー・クラシック/エラートと録音の専属契約を結び、「レイエンダ」(2016年)、「Bach Inspirations / バッハに捧げる」(2018年)、「Aranjuez / アランフェス」(2020年)をリリース。最新アルバムは、ジャルスキーとの「À sa guitare/ギターに寄す」(2021年10月)。2019年11月公開の映画「マチネの終わりに」(福山雅治&石田ゆり子ダブル主演、原作:平野啓一郎)に、天才ギタリスト役で登場した。
ティボー・ガルシア関連リンク
オフィシャル・サイト :http://www.thibautgarcia-guitarist.com/
WARNER MUSIC JAPAN :https://wmg.jp/thibautgarcia/
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MEDIA
■YouTube
ESSAY & INTERVIEW
■ エッセイ
ティボーの来日コンサートへ寄せて
徳永真一郎(ギタリスト)
2019年6月初来日時
ティボーと初めて会ったのは2011年の冬、フランスのリモージュで開かれたギターの講習会。パリ国立高等音楽院で教鞭を執るオリヴィエ・シャッサンの元に、音楽院の入学試験を控えた若いギタリストたちが集まっていました。
丸一日、レッスンと練習で疲れ切った初日の夕方、食堂でギターを弾いている青年がいました。それが当時16歳のティボー・ガルシア。確か参加者の中では最年少。パガニーニの「カプリス24番」を軽々と弾きこなす彼を囲んで聴き入ったのを鮮明に覚えています。これが記憶に残っている最初に聴いたティボーが奏でるギターの音、素晴らしかった。
その年の9月にパリ音楽院に入学し、在学中に数々のコンクールに優勝、ワーナー・クラシックとの専属契約など、瞬く間に一線で活躍する演奏家の一人になったことは皆さんご存知の通り。
トゥールーズ・キャピトル管弦楽団を始めとするフランスの各地のオーケストラとの協演、フィリップ・ジャルスキーなど数々の演奏家との共演、あれもこれも生で聴きたいものばかりです。
2019年以来の来日、こんなに長い間ティボーの生の音を聴けなくなるとは思っていませんでした。4年ぶり、やっと聴ける、コンサートの日が心の底から楽しみです。
■ エッセイ
ギター界の新星ティボー・ガルシアの演奏は癒し、元気と前に進む力を与えてくれる
伊熊よし子(音楽ジャーナリスト)
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2019年6月、ティボー・ガルシアは初来日公演を行い、「ギター界に輝かしい才能を備えた新たな逸材が出現」と、日本のファンの心を熱くした。そのギターは超絶技巧をものともせず、すべては流れる水のように流麗に自然で、透明感をもって聴き手に届けられる。なんという美しく馨しい弦の調べか…。
ギターはナマの音を間近で聴くと本来のすばらしさが体感でき、一期一会の音楽に胸がときめき、至福の歓びを味わうことができる。ガルシアの演奏は指と爪で音を奏でていくギターという楽器のヒューマンな響きを存分に披露するもので、ひとつひとつの音色が胸の奥にしみじみと響いてきた。
スペインの血を引くフランス生まれのティボー・ガルシアは、21歳までに各地の国際コンクールを6度受け、すべて優勝という実績を上げた稀有な存在。16年にはワーナー・クラシックスと専属契約を結び、デビュー作「レイエンダ〜伝説のギター」をリリース。ラテン・ギターの伝説的作品をぎっしり詰め込んでいる。このデビュー録音は自身のルーツでもあるスペイン作品に焦点を当て、いずれもごく自然に、おだやかな歌を奏でるように奏でられている。日本デビュー公演は、それらのなかからアルベニス「アストゥリアス」、タレガ「アルハンブラの思い出」などが選ばれていた。続く第2弾はバッハの作品とバッハから霊感を受けて曲作りをしたバリオスやヴィラ=ロボスらの作品を収録した「バッハに捧げる」。ここでは語るようにうたうように、ギターから喜怒哀楽の感情豊かな響きを引き出し、まさにギターを聴く喜びを体感させてくれる。スペイン好き、ギター好きの私の心をとらえて離さない1枚だ。
「初めての録音は自分のルーツを意識し、スペイン作品を収録しました。アルベニスの《アストゥリアス》は通常の編曲版ではなく、僕は恩師のオリヴィエ・シャッサン版で弾いています。ピアソラの《ブエノスアイレスの四季》は、ブエノスアイレスの音楽祭に参加したとき、会場が燃えるような雰囲気で心が高揚しました。それを再現しています。2枚目のバッハの録音は、父がよく弾いていたバリオスの《大聖堂》からスタート。僕はバッハが大好きで、ギターの可能性、音色の豊かさ、色彩感を探求する曲を選び、ギタリストとしてのアイデンティティも表現しているつもりです」
ガルシアは会う人をみな幸せにしてしまうナイスガイ。インタビューでも、ことばを選びながら真摯に率直に雄弁に答える。彼はあまりにも淡々と肩の力を抜いて演奏するため、聴き手は自然に目を閉じて聴き入るような不思議な力を秘めている。もちろん癒されるだけではなく、いつしか元気が湧き、前に進む力を与えられる。その情感豊かな演奏にまた出会うことができる。今回はベートーヴェンやショパンの作品からバリオス、スペイン作品まで多彩な選曲。ギターの調べを全身に纏うあの幸せは、一度味わうと忘れられない!
■ エッセイ
みずみずしく、朝露のごとく ティボー・ガルシア
山崎浩太郎(演奏史譚)
© Warner Classics-Erato - Ph. Marco Borggreve
とうとうまた会える。ティボー・ガルシアのギターの、あの「音」を聴くことができる。
その音をナマで聴いたのは、初来日した2019年6月のことだった。おどろいた。ききほれた。
バリオスの《大聖堂》にはじまって、タンスマン、バッハなどをへてピアソラの《ブエノスアイレスの四季》にいたるというプログラム。テクニックの高さにも音楽性にも疑いの余地はない。しかし、なによりもひきつけられたのは、その音の美しさだった。
そのときの感想を、日記にこう書いた。
「滴るような、朝露を想わせる潤いと輝きをもつ高音が、ものすごくきれいに歌う。まだ25歳、しなやかで繊細な指の魔術。《アルハンブラの思い出》のトレモロの、スケーターが後ろ向きに滑っていくように弧を描いた美しい響きの線が、忘れがたし」きらめいていた。といっても、ギラギラした華やかさではなく、新緑の葉を滑る朝露のように、音の一つ一つがみずみずしく、光をはらんでいた。その音が、なめらかに滑走してゆく。
この楽器は、こんな豊潤な音を出すものなのかと呆然とし、陶然となった。
それからあわてて、この人のディスクをあつめて聴いた。フランスの名門レーベルで、俊英アーティストに目をつけるセンスの高さに定評のあるエラートと専属契約を結び、第1弾『レイエンダ〜伝説のギター』が発売されたのは、ガルシアがまだ22歳のときである。
このディスクには、初来日リサイタルのときと同じ《アルハンブラの思い出》や《ブエノスアイレスの四季》などが収録されていて、2018年のセカンド・アルバム『バッハに捧げる』と同じくソロ・アルバムである。どちらも、実演のときの美音を思い出させてくれる好演だった。
続いて、初来日の年の秋に公開された映画『マチネの終わりに』に出演し、評価を高める。その勢いに乗り、2021年に2回目の来日公演が予定されたが、コロナ禍のために翌年に延期。さらにそれも延期となって、ついに実現するのが、今年の公演である。
その間に出た2枚のディスクも、素晴らしいものだった。ガルシアと同い年のイギリスの指揮者ベン・グラスバーグ(この人も将来を嘱望される新鋭だ)と共演した傑作《アランフェス協奏曲》を中心とする1枚と、そしてカウンターテナーのフィリップ・ジャルスキーと共演した『ギターに寄す』。
とりわけ、『ギターに寄す』は鮮烈だった。プーランクの同名の歌曲にはじまって、ダウランド、パーセル、モーツァルト、シューベルト、そしてロルカやバルバラまで。ガルシアのしたたるような美音のギターとジャルスキーの妖しくも美しい声が絡みあって、すごい世界になっている。
こうした、優れたアーティストたちの共演を重ねてきたガルシアが、バリオスを中心にピアノ曲の編曲も交えて、こんどはどんなソロを聴かせてくれるのか。
とても楽しみだし、ふだんはギターをあまり聴かないという方も、ぜひ聴いてみていただきたいと切に思う。より多くの人に愛され、新たな世界をひらく可能性をもったギタリストだと、私は思うからだ。